第34章 戦雲立ち 戦火拡大
「光秀様。浅井と将軍の要請に乗り、武田が動く模様!」
火急の知らせ。
「確かか?」
「上洛(京へ入る事)支援というよりは、同盟者を挟撃する打算で」
「織田の同盟者?武田領から近くて…」
「ココからも近い。
それを手中にすれば隣接すると言えば…」
凝寒※とした空気が走った。
「信長様へ至急伝達し、三河を護る陣を
同時進行で整えるよう、三成に伝えろ」
光秀が、急迫として、斥候に指示を出した。
「武田軍は三河の徳川領を叩いた後、
こちらに進んで来るつもりでしょうか?」
「いい読みだな、瑠璃」
「当たって欲しくはありませんけどね」
光秀が酒を飲みながら、話をしていた相手は瑠璃。
※凝寒…凍りつくような寒さ