第6章 帰城後から帰城に
そんな瑠璃の肩を掴んで凝然としてから政宗は続ける。
「何しにきた………
いや……そんなのどうでもいいな。
お前、なんで、歩いて来た。
身体中痛むだろ?
知らせてくれたら俺が行ってやるのに」
政宗は腰を抱いて支えながら、瑠璃を部屋に入れる。
足を伸ばして座らせると
瑠璃はそのまま、後ろにずり下がって、
柱にしな垂れかかる。
「政宗、迷惑かけてごめんなさい」
と謝罪した。
「迷惑?
心配はしたが、迷惑なんてかけられてないなっ。
俺の首を狙ってた奴らも始末出来て丁度良かったさ」
政宗は優しく笑っているが、言葉の端々には切れるような硬さがある。
殺気めいたそれでいて危うい、
暗鬱で澱濁とした雰囲気を隠していることに
気付かない瑠璃では無かった。
(あの人達、全員、政宗が殺したの……ね……)
なにも知らない様に、勘付いていないように
瑠璃は表情は変えない。