第6章 帰城後から帰城に
城へ戻り、瑠璃の怪我の具合を城医に
見せる。
「打ち身と擦り傷のみ。
これと言う程の怪我ではありません。
政宗様も、肩の怪我は大丈夫のようですな。」
と言って、すぐに帰って行った。
「……ん…」
医者が帰り一刻ほど過ぎて、瑠璃は目を覚ました。
「い…あっ……っうぅ〜〜…」
痛みに小さな呻き声を上げる。
(無事みたい……。
政宗と光秀様に迷惑かけちゃったな)
痛みに耐えながら身体を起こすと、
ゆるりと立ち上がる。
部屋から出ると痛む足でそろりそろりと政宗の部屋まで進む。
拳を撃ち込まれた腹部も歩くたびに鈍痛が生じる。
(政宗のいる奥の間まで、遠いわ)
独り苦笑する。
いつもは直ぐだと思う政宗の部屋にようやく辿り着いた気分だった。
「政宗?いらっしゃいますか?」
「瑠璃か⁉︎」
「はい」
返事が終るか終わらないかで襖が内側から開けられた。
「ま、政宗⁉︎
ご、ごめんなさい、足が痛くて、正座出来ないから、立ったままだったの!」
怒られると思ったのか、瑠璃は慌てて弁解しようとして、言葉を紡いだ。