第33章 春花酒宴
男達の間を割って歩き出そうとする政宗に、
尚も 食い下がる男達。
「そんな、自分勝手です!」
「おかげで、我々の統率が乱れていると、思われているのです」
「伊達様は、御自分と瑠璃様が乱したとは、
思われないのですか⁉︎」
口々に文句を言う男達に、フゥ…とためいきを吐く政宗。
「その気持ち…解りたくもねぇな。
そんなんだから、乱れたんじゃねぇのかよ」
馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの政宗に、
男達は更に頭に血が上ったようだった。
「乱したことも分からないのですか!」
「勝手な人の下に付く我らの身にはなって下さらないのですね⁉︎」
「織田軍筆頭家臣なら何をやってもいいのかよ‼︎」
童子の勝手な八つ当たりに、政宗が蒼い瞳を燃やし一喝する。
「うるせぇ!」
その咆喝に 男達が 冷水を浴びせられたように、
鎮まる。