第33章 春花酒宴
「政宗さんも酒が飲めないから、瑠璃も飲む機会がないだろうね」
盃に手を伸ばしながら、家康が付け加える。
「家康、お前も、瑠璃が酔ったらどうなるか気になるだろ?」
秀吉はどうにかして、瑠璃の盃に酒を注ぎたいようだ。
「別に…なりませんよ。
秀吉さんみたいに、クダ巻かれてたりしたら、嫌だし。止めて下さいよ」
嫌そうな顔で、秀吉を見る家康。
「俺みたいに…って俺は酔ってクダなんか巻かないぞ」
「……酔ってて分からないだけじゃないですか」
溜め息を吐く。
「クダじゃない。説教だっ」
開き直ったのか、力説の秀吉。
「くだらない、クダですよ…。宴の席に説教 いらないですし」
「ゔ……」
秀吉詰まる
。
「もっと言ってやれ、家康」
光秀が嗾(けしか)ける。
「説教の対象は主に光秀様なんですよ」
天使が悪魔の発言で瑠璃に笑いかける。
「と、とにかく、だなっ」
秀吉が更に詰まる。
(三成様は侮れない)
改めて瑠璃は思う。