第33章 春花酒宴
信長を上座にして並んで始まった宴。
途中、秀吉がおもむろに立ち上がったかと思うと、
瑠璃の側に酒を持ってやって来た。
「瑠璃、お前、飲めるのか?」
秀吉が徳利を差し出しながら問う。
「飲めますがーー…」
「弱いのか?」
「さあ」
首を傾げる瑠璃。
「さあ?」
秀吉も首を傾げる。
猿まね。
「瑠璃様は、酔うほど飲まれたことがないんですね」
三成が察する。
「はい、お酒の席に出る機会もさほどありませんでしたので」
「公家の姫が宴会……て図は、確かになかなか考え難い」
腕組みをして、酒に呑まれ、乱れる様子を
想像しているのだろう秀吉。
「うーーーん」