第33章 春花酒宴
「お二人とも、化粧をされなくてもお美しいですが、化粧をされると一層美しいですね」
キラキラと輝く紫の瞳を細め、直球の褒め台詞を発した三成。
「三成〜お前はぁ〜っ💢」
家康がチッと舌打ちして、三成を睨む。
「はい、家康様」
「💢」
家康の心、三成知らず…。
「ありがとう、三成くんっ!」
褒められた事を素直に喜ぶ美弥。
家康の心知らずが、ここにももう一人。
「お上手ですね、三成様。
でも、相手がこれ程美しい桜でしたら、
私達の化粧も無意味でしたね」
桜にも負けない程、雅やかで美麗に笑った瑠璃。
それを見た秀吉が、魂を奪われたように、
あんぐり と口を開けていた。