第32章 女神敬仰
「あー…、玉瑛君が瑠璃さんだったなんて…」
「残念ですか?」
三成が気遣う。
「残念と言うか、ナント言うか…」
美弥は本当になんとも言えない思いだった。
「あんなに爽やかで、カッコよくて、女の私が見ても綺麗で……そりゃ、女の人だったんだから、そうなんだけど…。
そんな玉瑛君がまさか、本当に女の人で、瑠璃さんだったなんて。
驚いたって言うか、信じられないって言うか……」
困惑混乱の極み。
「しかもっ。こんなに細くてお淑やかで、
静かな瑠璃さんが、弓を引いて、乗馬も、
男の人より上手いだなんて!
鷹狩の時は暴走した馬で、冷静に私を助けようとしてくれて……。
でも、殺されかけたって言うか…。
お城でも悪口を言われたり、女の人なのに、女の人にそんなこと……」
美弥の表情が曇ってゆく。