第32章 女神敬仰
「まったく…本当に、瑠璃だと気付かず
毎日過ごせたアンタ達には頭が下がるよ」
呆れ顏で家康が美弥をみた。
けれど、美弥も反論する。
「気付かないよ!だって玉瑛君はカッコいいじゃない!」
言っている意味が解らない。
「ちっちゃい政宗と光秀さんみたいだったもん!
瑠璃さんだなんて思わないよっ」
そうは言っても、美弥は見舞いの時、
瑠璃にも「カッコイイね!」と言っていた。
すっかり忘れている。
「美弥、なんだそれ」
不思議がる政宗。
政宗は、美弥と瑠璃を交互に見るが、
澄まし顔の瑠璃からは何も読み取れない。
「サラッとキザな事したり、
サラッと揶揄ってきたりするんですよ」
美弥は必死に訴える。
「なるほど。玉瑛にも揶揄われたのか。
お前は本当に隙だらけだな」
「光秀さん!馬鹿にしてるんですね⁉︎
隙はあるけど、関係ないじゃないですかっ」
「ねっ、玉瑛君っ」
瑠璃に同意を求めつつ
「あ、いや、瑠璃さん⁉︎玉瑛君?どっち?」
困る。
「「瑠璃だろ」」
政宗と家康に突っ込まれる。