第30章 花顔涙咲
「餡の中に刻んだ 何か が、入ってて
美味しいです!」
三成が満面の笑みで付け加える。
「何か も分からないで食べてて、
何が、美味しい だよ」
家康が横槍を入れる。
「干し柿だ。瑠璃が入れろ って言ったから、入れてみた」
それを機に、そこに居る皆が、瑠璃と政宗と甘味の話を、一斉にし始める。
が、瑠璃は温笑を浮かべ、時々 答えるだけで、ほぼ、聞いているだけだった。
(やっぱり、開かねぇなぁ)
政宗は苦笑する。
以前の瑠璃を見ているようだ。
少し距離を置いて、深く関わってこようとしない。