第30章 花顔涙咲
(カッコイイ…どの辺が?)
「そうですか…?」
瑠璃には、美弥の観点が解らない。
不思議に思っていると、美弥が続ける。
「政宗と一緒に居るから、移ったのかな?」
それは違うと思う。
でも、その言葉から、美弥の考えている事が、想像できた。
泣いたり、怒ったりしている女性に対して、
花を差し出して「泣くなよ」「そう怒るなよ」とか言っている、
キザな男=(イコール)政宗 の図式。
なんとも単純明解な想像図が、美弥らしい。
「あっはははは…ちょっと、キザでしたか?
美弥様の中の政宗って、そんな印象なんですね〜」
「‼︎」
(瑠璃さん、可愛いっっっ!
本当はこんな可愛く笑う人なんだ〜)
美弥の言葉に、思いがけず、声を出して破顔した瑠璃を感激しながら見て、嬉しくなった。