第30章 花顔涙咲
「そう…なんですか?」
瑠璃は初耳だった。
「あ"ーっ、政宗ったら、伝えてくれてなかったんだ、ひどーい!」
瑠璃の反応を見取って、自分のラブコールが、ちっとも伝わってなかった事を知った美弥は、頬を膨らませて、プンプン言っている。
そんな美弥に瑠璃は
「すみません、美弥様、怒らないで」
さっき、自分の簪のそばに、政宗が挿してくれた沈丁花を差し出しす。
「!」
美弥が目を丸くして、掌の沈丁花と瑠璃をみてから、太陽のように笑う。
「瑠璃さんって、カッコイイね!」
(お淑やかで女らしくて、綺麗なのに、
サラっとこんなキザなことするなんて、男前な人だな〜)
美弥は憧れの瞳、羨望の眼差しで瑠璃を見る。