第30章 花顔涙咲
ー姫への見舞いー
しばらく信長と政宗と、歓談を楽しんだ後
瑠璃は、美弥を見舞う為、部屋を訪れていた。
美弥は起き上がっていた。
「美弥様、寝ていなくて大丈夫ですか?」
「瑠璃さんが、来てくれるのに、寝てなんていられないよ」
朝から ソワソワし、瑠璃が来るのを今か今かと、
首を長くして待っていたのだ。
「それにっ、手は動かせるから、針子仕事してたの」
エヘッ と笑う美弥。
これが美弥らしい。
「拝賀の日以来だね」
「ご無沙汰しており、申し訳ありません」
「瑠璃さん、全然来てくれないんだもん。
瑠璃さん 連れて来て って何度も政宗に言ったのに〜」
美弥は怒って見せるが、少し悲しそうだ。