第30章 花顔涙咲
信長は只 否定したのではなく、性格や似合う色を示唆したうえで否定している。
それを、直ぐに理解出来る瑠璃を政宗は敬いつつも、誇らしく思う。
「瑠璃、身体は大事ないか。
美弥の命を優先したこと、礼を言う。
貴様も同じ女子だと言うのに、危険な目に遭わせてすまぬ」
「そのような言…。私の蒔いた種ですので…。
私の方こそ、美弥様を危険な目に遭わせてしまい、
申し訳ありませんでした。
命に別状ないとは言え、動けない程の打ち身ではー…」
瑠璃は、額が畳に着くほど頭を下げ真摯に謝罪を述べる。
「怪我の功名だと喜ぶであろうな」
美弥を思い描いて笑う信長。
「思いのほか、貴様に早く会う機会がきた」
「そういやぁ…お前の事よく聞かれた。
相当 お前と話したかったんだな。
今回会えなかったら、そのうち、文でも書いて寄越したかもしれないなー」
政宗は可笑しそうに言う。