第5章 朝の喧騒
現代よりも、
空は高くて、青くて、涼しい。
初夏の早朝、
昇り立つ朝霧の中を駆ける。
ずーーっと向こうまで平原。
昇って間もない太陽に照らされ
青々と茂る草の
朝露がキラキラと光る。
( なんて、綺麗なの……)
高めに結ったポニーテールが
弾んで揺れる。
2人に遅れを取らないよう速度(スピード)をあげる。
(こんなに走らせられるなんて!)
なんの障害も無く、気の向くままに
何処までも、何処までも
馬を走らせたのは初めての事だった。
(楽しい‼︎)
夢中で駆ける。
朝日に吸い込まれて、
何もかも忘れられる様だった。
どれ位 駆けたか、平原を抜けて、泉の側まで来てから、2人が馬を止めた。
「一休みさせてやろう」
瑠璃は政宗に手伝ってもらい馬を降りる。
「遙〜。頑張ったね。お疲れ様」
声をかけ、愛撫で馬を労う。