第30章 花顔涙咲
「秀吉、詫びに、茶でも点てて来い。
ついでに金平糖を茶菓子に持って来い」
信長にそう言われ、渋い顔で瑠璃と信長を見る秀吉。
「……茶…ですね。ですが、金平糖はー…」
言葉を濁す秀吉。
「まぁ!金平糖ですか⁉︎」
瑠璃がキラキラと瞳を輝かせて見る。
期待に満ち、懇願されるような眼差しで見られた秀吉は、ガックリと肩を落とす。
「今日だけですよ……」
秀吉完敗。
ため息を吐いて、渋々と立ち上がって行った。
まんまと秀吉を追い払い、悪戯成功顏をして
信長と瑠璃が笑い合う。
「政宗、お前も退って良いのだぞ」
「ご冗談を」
政宗もサラッと躱す。