第30章 花顔涙咲
先に口を開いたのは、瑠璃。
意を決したかの様に、息を吸って、
「政宗も、私を見る目を変えるんですか?」
ハッキリと強い声で。
「⁉︎」
瑠璃の言葉に政宗が蒼い目を丸くする。
(政宗、も…って…)
感情を消して、抑揚のない声で瑠璃が問う。
「私をあざといって言うの?疎むの?
妬むの?怖いって思う?」
冷めた表情のくせに、酷く苦しそうに。
「澄ました顔して、可愛げもなくて…。
頭のいい隙のない女は強くて傲慢だって思う?
その綺麗な笑顔で人を馬鹿にして笑ってるんだって」
失笑の瑠璃。
「そんな、私で、ごめんなさい…って言ったの」
自暴自棄のように言い捨てると、政宗から目を逸らし、背中を向けた。