第30章 花顔涙咲
思い出す。
『何でも知ってます、みたいに澄ましちゃってさ』
『大きな家のお嬢様だもんね〜。私達のこと馬鹿にしてるんだ』
同級生達にはそう言われた。
子供の頃から少し大人びていて、
一歩引いて客観的に周囲を見ていた事は確かで、
だから、同級生と馴染めなかった。
家は関係無いと思っていた。
けれど、関係していた。
『何にも知りませんって子供の顔して、
心の中で馬鹿にしてるんだろ?あざとい子供だ』
叔父にだったかそう言われた。
(隙を見せれば、女 子供でも家名でも、
利用しようと近づいてきたくせに)