第28章 鷹狩の蛇
(可愛く愛でられるだけの甘っちょろい女であれば、幸せであろうに、なぜ故、それ程までに、賢いのだ)
信長も瑠璃の正体に興味を持つ。
女が賢ければ賢いほど、大概の男は気後れし、嫌がる。
いつの時代も背後をついてくる従順で大人しい女が求められる。
賢すぎる女は忌み嫌われやすい。
それなのに、ひけらかすでもなく、
ただ真っ直ぐに正しく、己の賢さ鋭さを見せつけてくる。
貴様はなぜそれ程までに、強く鋭くいようとするのだ。
それは、瑠璃が、自分の正しいと思った事を言えず、抑圧されて傷つき、それでも強くいなけれはならなかったから。
矛盾し、絡まったままで自分を守っていたから。