第28章 鷹狩の蛇
「あっははははっ、玉瑛君ったら、何それ〜。
落馬経験豊富 って求人みたいな文句、可笑しい〜」
美弥は屈託もなく、本当に可笑しそうに笑っている。
「あたたた…笑ったら身体が痛ーいっ」
と言ってまた、ひとり笑っている。
(子供みたいな人ですね)
瑠璃は苦笑した。
「美弥様、ゆっくり休んで下さい。
明日は瑠璃様を見舞いに寄越します」
「わぁ!本当に?嬉しいよ、ありがとう。
楽しみにしておくね」
それから少しして、女中に支えられながら、
美弥は自室へと退(さが)った。
美弥が退り、静かになった広間に残った秀吉、三成、家康、そして瑠璃と信長。
光秀と政宗はいない。