第28章 鷹狩の蛇
信長、光秀以外の者は皆、激しく怒る瑠璃を
呆然と見ている。
(初めて見るな…あんな風に怒るのか…)
怒りを露わにする瑠璃を政宗は初めて見る。
(瑠璃様…悲しんで、怒ってらっしゃるんですね…)
瑠璃の悲しみを見抜いた三成。
(全身全霊で、やり場のない怒りを見せるんだな…)
いつも冷静な瑠璃の激しい一面を見た家康。
政宗、三成、家康がそれぞれ思いながら、
瑠璃の怒りの成り行きを見守る。
(そうだ、もっと自由に、したい様にするが良い)
信長は満足気に瑠璃をみて笑う。
(これしきで怒りを露わにするとは…
まだまだだが…悪くはない、怒りに身を任せる姿も美しいぞ、瑠璃)
美しい花を賞でるかのような眼差しで薄笑みを浮かべる光秀。