第28章 鷹狩の蛇
(馬だけ、落とした…か…)
「止め、ら、れ…なくて…どう…ようも……て…私……」
身代わりにした。
見殺しにした…
そう思って泣くのだ。
ギリギリで手綱を手放した。
突き放すように、後方に飛び退くようにして手を離した。
「政宗…ごめん…私、星羅を……」
落馬して砂まみれでボロボロになって泣く、
瑠璃の背中を摩りながら、言葉を掛ける。
「お前のせいじゃないだろ。
どうしようもなかったんだ……。
美弥も助かった。お前も手を離してくれて良かった」
抱きついている瑠璃をそっと離して、
額に口付ける。