第28章 鷹狩の蛇
馬から飛び降り、転がるように瑠璃のそばへと走る。
「大丈夫か?落ちたんだろ、怪我したか?痛むのか?」
応答なし、無反応だ。
(まさか、座ったまま気を失ってるとかないだろ)
「瑠璃?」
肩を掴んで向きをかえさせ、無理矢理に自分を視界に入れさせる。
顔を上げ、放心状態で俺を見る。
「……」
「瑠璃、気は確かか⁉︎」
俺をなんとか認識したのだろう、瞳を潤め眉をハの字に下げて、胸に飛び込んで来る。
「…政宗ぇ!」
抱き止めると、着物を乱暴に掴み、泣きはじめる。
「怖かったな」
背中をさすってやるが、フルフルと首を振る。
「ちが……せ…らが……せい、らがっ…星羅…がぁぁ……」
しゃくりあげながら、痛哭※し縋り付く瑠璃。
※痛哭…つうこく/酷く悲しみ声を上げ激しく泣く。