第28章 鷹狩の蛇
「星羅、大丈夫よ、止まって」
掛ける声が震える。
「…大丈夫だから、止まって…止まって!」
必死に声を出す。
星羅には瑠璃の言葉は届かない。
崖はもう目の前。
無理矢理 急カーブさせて、振り落とされてしまえば、崖に真っ逆さま。
一直線に突進すれば、馬と2人、崖に真っ逆さま。
どう考えても落下は免れそうにない。
(こんな、バンジージャンプ、なしでしょ…)
崖は目前、死も目前……。
疾走する、星羅。
止まらない、止められない。
(……でも、諦めないっ)
「星羅、ストーップ‼︎」
手綱を引く。
「大丈夫よ、大丈夫だから、止まって…止まってっ」
絶体絶命。
「お願い、お願いっ。止まって!星羅‼︎
おねがーーいつっ!」
ありったけの心と、声と力を振り絞り、願う。
願う…願った……。