第28章 鷹狩の蛇
「あっちの花畑に寝転んで、昼寝でもしたいですね」
「そうだね!
あ、でも、その前に、お弁当広げたいな〜」
「楽しそうですね。お腹いっぱい食べて、遊んで、寝る?」
「春はやっぱり遠足だよね〜。あ、今日も遠足みたいなもんだね」
美弥が楽しそうに想像しながら、こちらに笑いかけて来る。
女性同士のたわいのない話はどれ位ぶりだろうか、
自分の生活に、楽しいことが貧困だった事を改めて感じて、苦笑しながら、朗らかに笑う美弥を見た。
(こんなに何も考えず、猜疑もなく会話をするのは、どの位ぶりだろう)
流れる雲を見上げながら、瑠璃は寂しさを感じていた。