第28章 鷹狩の蛇
森から平原に出ると青草の上を進む。
春の穏やかな日差しが気持ち良い。
向こうの方には、野花が絨毯のように咲いているのが見える。
のんびりとした春の風景が広がっている。
「キレイだね!」
美弥が笑いかけくる。
「美弥様のようですよ。明るくて、暖かくて、気が休まる…」
瑠璃がそっと言うと、美弥が照れたのか、頬をピンク色にし謙遜した。
「やだやだ、玉瑛くん、私そんなこと…」
「じゃ、言い方を変えましょう。そうですね…。気が抜ける」
揶揄い半分本気半分。
「えーっ!」
美弥が非難の声を上げて、瑠璃は笑い声を上げた。
「あははっ、そんな所、可愛いってコトですよっ」
軽くウインクして見せると、美弥はまた、頬を染めて顔を隠す。
(玉瑛くんって…ちっちゃい政宗と光秀さんみたい…)
頬を挟んでグルグルと考える美弥。
それをみて、ふっと瑠璃はフッと笑った。