第28章 鷹狩の蛇
「玉瑛、貴様が美弥を乗せて来い。行くぞ、家康」
さっさと、馬に跨った信長は瑠璃に命令して、肩に鷹を乗せると、羽織を風に翻し、颯爽と駆け出した。
(アレが…正に、覇王の姿…)
自由奔放に振舞いながらも、王者の風格であるのは、流石としか言いようがなかった。
見送っていると、こちらも馬に乗った三成が
声を掛けてくれた。
「ゆっくり付いて来れば良いですよ」
「はい」
「ひとつだけ。
東の端はすぐに断崖になってますので、
あまり行き過ぎて、近づかないよう、注意して下さいね。
美弥様もね」
「わかったよ、三成くん!」
「よい、返事です」
ニッコリと笑顔を見せる三成。
(三成様って、本当、純粋無垢そうな美少年だなぁ)
一応、戦国武将としてなだたる三成に対して、
不謹慎ながらも、そんな事を思いながら、
三成の注意事項を聞いた。