第26章 弓馬競技会
「ふーん、そうなの?
でも、信長様も政宗だって、その辺の馬に適当に乗って、突然、駆け出すじゃないですか〜。
ビックリするくらい突然ですよっ」
「おいおい、アイツらと、俺達を一緒にすんな。馬くらい乗りこなせないで信長様の側近やってられるか」
眉をひそめて、美弥の頭を小突く政宗。
「だな」
秀吉も苦笑しながら続ける。
「馬は賢いから、乗り手を見るんだ」
「そうなんだ…」
「暴れ馬もいる。それを手なづけるのも乗り手の腕次第だ」
「暴れ馬って、アレ?」
美弥が指さす。
「あっ、落ちた!大丈夫かな?」
説明を受けた側から、立ち上がられ落馬する男を見て、美弥はなんとなく納得する。
「はぁぁ〜…三成、最後まで乗りこなせたのは今、何人だ」
「3名です」
「全然だな…」
秀吉の口からはため息。
「あっ、ねぇ!玉瑛くんだよ」
美弥の指さす方を見れば、先程より冷気の凪いだ瑠璃が、白い馬を引いて歩いている。
踏み台へ連れて行くと、軽々と鞍へ跨った。