第26章 弓馬競技会
弓術の打数が終わり、的が取り払われ、
馬術の競技に移行するため、馬場に障害が用意設置される。
与えられた馬を瞬時に乗りこなさなければ、そこでお終いだ。
だいたい、どんな馬でも乗りこなす、操縦者としての強さも馬術には必要なのだ。
秀吉が腕組みをして成り行きを見る。
「自分の馬しか乗りこなせないヤツばかりか…」
ため息を吐く。
「ふん、使えんな」
「全くです。自分の力を慢心しているからこうなるんだ」
信長に同意しながら、秀吉が遺憾だとブツブツ言っている。
「馬に乗るって、男の人でも難しいんだね」
この時代の武士なら皆、普通に乗れると思っていた美弥は、次々に落馬する男達を見て、秀吉に話しかける。
「馬に乗ること自体は難しくない。
ただ他人の馬に、突然乗ることが難しいんだ」
秀吉が美弥に説明してやる。