第4章 光秀逗留
光秀は瑠璃を伴って舶来品を扱う店を訪れた。
瑠璃も楽しげだ。
(見知った物があるって嬉しいなっ)
わあ〜このティポット素敵!
バレッタ可愛いな。あると便利だし〜
天然石のネックレスだわ。
やだぁ、このバッグ可愛い〜
西洋のドレスー、着てみたいなぁ。
聞いたこともない言葉を連発しながら、
キャッキャッと1人で騒ぎまくっている。
城での瑠璃と同一人物とは思えないほどの態度に、光秀は目を丸くした。
「お前、誰だ?」
光秀は唖然と問う。
「瑠璃ですよ〜(^_-)」
城での瑠璃とは違う明るさで返事をしながら
キラキラと楽しそうに、品物を見る。
(内では自分を殺して、外で息抜き……と言ったところか)
瑠璃のはしゃぎっぷりに
「童女(わらめ)だな」
と光秀は苦笑した。
色々見る中、
「光秀様!石鹸がありますよ!石鹸〜〜」
見て見て〜〜と瑠璃が掌に握れる程の
白くてツルンとしたなんだかわからない塊を
ここ1番に嬉しそうな様子で突き出してきた。
「石鹸とは何だ?」
光秀は瑠璃の勢いに押されて、掌の中の石鹸をみる。
柔らかい花の様な匂いのする白い塊。
「これをどう使うんだ?」
「湯浴みをする時、水に浸けて泡を立てて、体の汚れを落とすんですよ〜〜」
と、瑠璃は腕を伸ばし、手拭いを持って腕を擦る仕草をしてみせた。
「いいなぁ〜〜。
欲しいなぁ〜。
あ、でも、お金持ってなかっんだ。
残念〜〜>_<」
1人ゴチて石鹸を元にあった所に戻す。