第25章 不安な夜に寄添う(R18)
瑠璃は、自身の中にある弱さを隠さなければならなかった。
本当の自分自身も隠し偽ってきた。
弱さだけなら良かったのに、
笑顔さえも隠していた。
(泣く事も求める事も、素直に甘えることも…、
自分らしくあること全てを、母上に禁止されながらも、気丈に生きてきたのか)
抗えない状況が続けば、やがてそれに従い流され、受け入れる。
特に女は、いつの時代でもそうだと思っていた。
普通ならそうだが、瑠璃は違ったんだ。
きっと、そうならない為に、心を閉ざしていた。
(流され受け入れたのではなく、受け入れたと見せかけて、抗おうとしていたんだな)