第25章 不安な夜に寄添う(R18)
「いや、何でもない…すまない。不味かっただろう」
「…美味しくは、無い、ですね…」
苦笑し合う。
「政宗…痛み分けです」
「ん?」
ちゅっ、ちゅく、くちゅっっ…くっちゅ…
口付けられ、舌を絡められると、酸えた苦味のある唾液が、政宗の口の中に運び込まれた。
その味に、何となく申し訳無さを感じる。
「マズイな…嫌だったろ」
「口に出された事は、嫌では、無かった、デス……」
俯いてしまった瑠璃。
(本当かよ。気ぃ遣ってんじゃねぇのか?)
自分なら嫌だと思った。
だから、真意を伺う。
「嫌なら嫌って言っていいぞ」
とは言ったものの、嫌だ と言われたら嫌だな と思う。