第25章 不安な夜に寄添う(R18)
これからは、もっと従順に従わせて可愛がってやる。
(何も言わなくても、俺の残英を飲み込んだんだから、その素質はあるだろ?)
清楚で純潔とした女の姿としては淫靡で淫猥。
あり得ない姿だと思った。
残英を嚥下するとは思わなくて、唖然としていた俺の手から、懐紙を取り、乱れの無い流れる様な動作で口元を拭うのは、どこまでも、麗雅で美しいと思ったのに…、
艶めかしくもいやらしい、色香を纏った女の笑みを向けてきた。
(いつ…そんな風に笑うようになった?)
俺を……、
男の心を、
くすぐり、誘うような笑顔。
「瑠璃…頼む……」
「?」
俺以外の男に、そんな笑顔、絶対するな。
俺だけに向けてくれ…。
男を惑わす、妖艶な女の笑み。
いや…俺にしかそんな笑顔、させられはしない。
…そう思いたい。