第25章 不安な夜に寄添う(R18)
「お前が弱ってるトコロにつけ込まない手はないだろうが」
「…口が達者ですね」
「こう言う時だったら、お前に勝てる」
肘を立てて腕枕をして、調子よく言って笑う。
そんな政宗に、瑠璃も調子を合わせる。
「政宗には、特別に負けてあげようかな〜」
「減らず口だなー」
片頬を引っ張られる。
「…ましゃむにぇ」
引っ張る手を掴み外すと、瑠璃は政宗に抱きつく。
(お?)
銀鼠色の瞳が清婉と政宗を映す。
「…つけ込んでも…、いい、です…よ?」
愛らしく恥じらいながら、※爛心(らんしん)の言葉を紡ぐ、
桜色の唇。
その言葉とその唇に目眩がする。
※爛心…光かがやくようで、ただれた心。
(くっっそっ、どうして、こうも、簡単にっ)
何でもない言葉なのに、理性を奪い取られそうになる。
どうしようもないほど、煽られる。