第25章 不安な夜に寄添う(R18)
「つけ込んで欲しいのか、つけ込まれたいのか、
どっちなんだ?」
そんなの、意味は同じ、どっちだっていい。
なのに、余裕の無いトコロを見せたくないのが、
男の馬鹿なところだ。
どうせ、どっちでも同じで、余裕だってすぐに無くなるのに。
瑠璃の言葉を聞いた瞬間から、組み敷いて、
滅茶苦茶にしたくて堪らなくて、余裕も理性も飛びそうなのに。
求められる、言葉や仕草が欲しいと思う。
「まさ、む、ね…」
小さな声で名を呼ばれる、それだけで、全身がドクッと反応する。
政宗の寝間着の襟元をキュッッと掴んで、
少しだけ覗く胸元に瑠璃が鼻先を寄せる。
(勘弁してくれよ〜)
ギュッと目を瞑り、顔を上げて耐える政宗、
その気持ちを弄び捨てるかのように、
たった一言で、打ち砕く。
「つけ込まれ、たい…」
打ち砕かれる。
ハァァァァーーーー。
(素のコイツは手に負えない…)