第25章 不安な夜に寄添う(R18)
笑いを収めた瑠璃が、穏やかな口調でまた話し出す。
「十分捻くれてると思いますけど?ふふっ
けれど、幸い、兄達は私を可愛がってくれましたし、母は私に人を見る目と、強くある心を培ってくれました」
「不屈の精神だなぁ。そう言えば聞こえはいい」
呆れ気味の政宗。
「賢く生きて行く術を身に付けました」
(完敗だ…)
「ところで、今日みたいに不安な時や、
悩んだ時はどうしてたんだ?」
今は自分が居て、話を聞いてやれるが、
今まではどうしていたのか、ふと気になって問う。
「そうですねぇ…
それ程 不安になるような事はありませんでしたので、1人でなんとかして来ましたが…
あぁ、それでも、よく 光臣兄様に話を聞いてもらってました」
「光臣兄様」と発する時、それは懐かしく、
愛おしい者を見るような笑顔を浮かべて答えた瑠璃。