第25章 不安な夜に寄添う(R18)
新年拝賀の日、瑠璃の口から聞いた衝撃の言葉を思い出す。
『褒められたいなんてこおがましい』
『貴方は何も望んではいけない』
幾つの時に言われたのかは分からないが、
それらは決定なトドメの言葉で、それまでにも傷つく言葉を沢山、受けていたのだと、今、知った。
「…もちろん、出来たら、褒めて貰えただろう?」
(いくら、母上が厳しく冷たいとしても、童に対してだぞ…)
「そうですね。」
瑠璃の答えに安堵したのも束の間
「抑揚のない声で、良かったわね。素晴らしいですね。次も出来るでしょう。と褒めてもらいましたよ」
(それ、褒められたのか?)
「取って付けたような褒め言葉、そんな言葉でも幼い頃、ある程度の歳までは嬉しかった記憶があります」
こちらも冷たく笑う。