第25章 不安な夜に寄添う(R18)
それを見て政宗は、瑠璃の手と夜着を引いて立ち上がると、閨へと向かった。
「寝るぞ」
褥に瑠璃を引張り込んで抱きしめる。
「女のお前の弓術と馬術の腕を見たら、
皆 舌を巻くだろうな」
「そうでしょうか…毎日毎日、出来ずに
進歩が見られないと、不安になるんです…」
静かに話す瑠璃の髪に指を通し
梳きながら、政宗は話をする。
「なにをそんなに焦って、完璧を求めるんだ」
政宗の言葉に思い当たるところがあったのか、
ハッ としたように動きを止めた。
「何かあったのか?」
「家で、子供の頃…」
「怒られたのか?」
なるべく平静に問う。
今の瑠璃を作った昔の事、不安の正体を聞いてみたい。
「怒られたと言うか…厳しくされました」
遠い目をしている瑠璃。