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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第24章 家康の特訓



もう何日にもなる特訓で、落馬し泥だらけで、
打ち身の青痣が絶えない。
けれど瑠璃は、泣き言も言わず練習をする。

馬術の日は手も足も力が入らなくて、
弓の練習どころではない。
「弓は腕の力が足りないだけだから、
とりあえず、自分で時間を作って引く練習して」
「はい」
完全に師弟関係。

「今日は何回落ちた。落ちた回数数えろ」
口を引き結んで家康を見る瑠璃。
その瞳には悔しさが滲んでいた。


何時もと同じよう厳しく叱咤されたある日の練習(レッスン)後

「今日はここまで。上達してるよ。
だから…明日も頑張りなよ」
家康が表情を和らげて、優しい口調で労うように、
励ましの言葉を掛けた。

「家康様ー……はい、ありがとうございます」
まさかの言葉に、瑠璃は、頬を紅潮させて嬉しそうに笑って、家康を見直した。
銀鼠色の瞳がキラキラと輝いて家康を見る。
「…っっ。まっ…だ、まだ、だけどね」

(だから、言いたくなかったんだよ…)

家康は瑠璃の輝く瞳と眩しい笑顔から顔を背けた。


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