第24章 家康の特訓
繊弱そうな観賞用の美しい牡丹の花のよう。
麗雅粛清、凛としていながら儚そうな容貌。
見る者 全てを魅了し陶然とさせる。
恭黙かと思えば、口を開いて才華に陰柔※をちらつかせる。
柔和で優しく微笑したかと思えば、
潤美な女たらしい媚笑を見せる。
人を虜にする作られた笑顔。
それなのに…時折、幼くあどけなく、
朗らかな、春の陽射しの様な笑顔を見せる。
※(陰柔…表面は従順で腹は黒い事。)
完璧に装われた女のようなのに、純粋で真っ直ぐな部分。
強くあろうとする健気で負けず嫌いな部分。
その隠された部分に気付き、内面を垣間見た者は、
強く興味を引かれ、惹かれる。
そして、いつか、本当に虜になる。
家康は瑠璃を眩しい物でも見るかの様に見ていた。
(君はーー……)
似ているようで似ていないから、
ヒカレル……。