第24章 家康の特訓
「爪 隠してたんですよ。
ここぞって時に見せないと意味がないでしょう」
「家康に見せるのが、ここぞ って時なのかよ」
「かな〜?」
こうやって瑠璃が屈託なく、無邪気に笑うのを久しぶりに見て、政宗も優しく瑠璃を見る。
「今日はここまでにします。
実力は分かりましたので、明日から始めます」
「家康、頼んだぞ」
「よろしくお願いします」
頭を下げた瑠璃に対し家康は
「明日からは厳しいから。馬は落馬も覚悟して来てよね」
信念のある強い瞳を向け、それだけ付け加えた。
威(おど)しか、それとも本当か。
心の読めない瞳で、真っ直ぐに瑠璃を捉えている家康。
そんな家康を政宗は、目を眇め、訝しげに見る。