第24章 家康の特訓
「白石、今日は私の勝ちね」
嬉しそうに馬に話しかけながら、馬場を回って2人の前に馬を止める。
「家康様、ヒドイですよ、ご自分の馬で私を試すなんて。しかも、こんな難しい子……
白石、お前はご主人似なの?」
家康を見て愚痴をこぼし、白石を撫でながら話かけて、楽しそうだ。
「最後の一言 よけい。
でも、馬術の腕は認めてあげる」
家康が不服そうに、それでいて嬉しそうな様子でそう言ったので、瑠璃は更に嬉しそうに笑った。
「政宗っ、家康様に誉めてもらいましたよ!」
政宗に小さく可愛らしいガッツポーズを作って見せる。
((何だ、その可愛いの))
「認めはしたけど、誉めてないし」
「ヒヤヒヤしたぞ。それにしても、お前、
女のくせに凄いな。
あんなに馬を操れるなんて知らなかったぞ」
馬から降りて来た瑠璃を、腕の中に入れると、頭を撫でてやる政宗。