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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第24章 家康の特訓




「前へ」
号令は家康が出す。
「構え」
静寂に張り詰めた空気の中、背筋をぴしっと伸ばし、流れる動作で、肩を張り弓を構え、矢をつがえる。
(青い竜胆みたいに…)

弦を引き絞り、的を定める。
真剣な横顔は冷たく熱くて美しい。
「放てっ」
号と共に手を離すと、強く引き絞られた弦が、
ヒュッッと音を立てて矢を送り出す。
トスッ
矢は中心より少し下にズレて、真ん中に刺さった。
瑠璃が、フゥーーっと緊張の切れた息を吐き出した。

「……。見事だ、と言いたい所だけど…飛距離を伸ばさないとダメだ」
女の腕でこの距離を中心近くに当ててくるのは、かなり上手い。
的に届いただけで拍手に値するところだが、家康はあえて駄目出しをする。
「瑠璃、この距離で、確実に中心に当てられるようにして」
「はい」

瑠璃は少し悔しそうな声音で返事をした。

(久しぶりだから、飛ばなかった…)



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