第24章 家康の特訓
少し前、
城の庭で信長や光秀と居た瑠璃を見ただろう大勢の者は、そう思うはずだ。
思わぬ処で瑠璃の作戦は功を奏していた。
(ホント美鬼だ。キレすぎて可愛くない女…)
弓道場へ向かうと、後からすぐに、
袴に着替えた瑠璃が入ってきた。
長い髪を後ろで緩く束ね、前髪も分けずに下ろしていて、玉瑛の時とは明らかに違う、女らしい可憐な袴姿だった。
(女ってのは、髪型一つでこんなにも、変わるのか…)
家康は無表情で感心した。
その横から政宗が囃し立てる。
「今日の玉瑛は俺の色小姓まんまだなぁ」
「⁉︎」
その話を回避する為の特訓なのに、政宗は何の気なしだ。
「政宗さん、笑えないっ!💢」
(おっと、マキビシ 踏んじまった)
政宗は肩を竦め、後ろに下がった。