第23章 政宗の小姓2
「そうだ、俺達が生きる為、お前は俺を救ったんだ。それでいい」
政宗は強く言ってから、もう一度、
ホッとしたような声で言った。
「そうだ、それでいい」
仕方なかった…
そう言ってはいけないけれど、そう思うしかなかった。
少し胸が痛むし、悲しかった。
でも、弓を握るのは、もう、怖く無いような気がした。
「瑠璃」
優しい声音で呼ばれて顔を上げると
「良い子だな」
嬉しそうに政宗に言われ、口付けられた。
啄むように何度も、口付けられる。
「ん、んっ、?」
政宗が何故そんなに嬉しそうにしているのか、
瑠璃には分からなかった。
強がらなかったこと、それは政宗に心を開いている、弱くても、弱さを見せてもいいと思い始めているという事だ。
政宗が再三、瑠璃に言い聞かせてきた事、政宗の願う事。
弱くてもいい、心を開けーー。
これからも願う事。
政宗は瑠璃の小さな変化を感じ取って喜んでいた。
(瑠璃、俺がもっと変えてやる)
ちゅっっ とまた口付ける。