第23章 政宗の小姓2
この温もりがあるのも、優しい言葉をくれるのも、政宗が生きているからだ。
もしあの時、政宗が死んでいたら、大怪我をして、私を連れ帰ってくれていなかったら、
今、私は、ここにこうして、笑ったり、
泣いたりしていない、出来ていないかもしれない。
最悪、私も生きていないかもしれない。
殺されていたかもしれない。
この戦乱世では生と死は背中合わせ。
どうして戦うのか、どうして殺すのかは、
理解しているつもりだ。
だとしたら……
私も、もう、認め、受け入れなければならない。
「生きる為だった。
政宗を助ける為だった。
それで良かったんだって、考えるよ?」
政宗が生き、私が生きるため。
それでいいことに片付けてしまうよ。