第23章 政宗の小姓2
「瑠璃、大丈夫か?」
「…大、丈夫…じゃ…な…か、も……」
震えそうな声でなんとか小さく返す。
政宗は覗き込んだ瑠璃の瞳を、優しく見つめた。
(強がらないのか?)
今までならきっと「大丈夫です」と気丈に振る舞い、平気そうにしていたはずの瑠璃が、隠さず素直に心を口にしてくれたことに、政宗は嬉しく思った。
平素は何も変わっていないように見えるだけに、今、この事に感激する。
まだ少ししか開いてないとしても、少しでも心を開いてくれている事が嬉しくて堪らなくなる。
けれど、一旦 表情を引き締めて瑠璃の肩を抱いて
「瑠璃、俺の命を救ったんだ。お前は殺したんじゃない」
強く確かな口調で言い切る。
それは慰めでは無く真実だから。