第23章 政宗の小姓2
家康の考えとは、
鷹狩 同行者を、城へ上っている全員の中から、弓と馬の腕前で選ぶ。
もちろん瑠璃も玉瑛として参加させる。
そしてそこで、上位どころか優勝してもらう。
実力を見せ付ければ、妬み嫉みで下衆な言葉を投げつけてくる奴等を黙らせる事が出来る。
更に、実力で信長の目に留まったとあれば、
口は疎か、手も足も出せなくなる、と言う訳だ。
「……で、お前は明日から家康の御殿で手ほどきを受けろ」
夜、政宗から事の経緯と詳細を聞いた瑠璃。
(…大丈夫かしら…あの時以来、引いていないし…私がーー…)
想ってギュッの目を瞑る。
急にあの日の光景が見えて怖くなった。
無我夢中で矢を放った。
あんなに遠いのに聞こえるのか と思った、
当たった時の鈍い音。
倒れる兵士達。
(どうしよう……怖い……)
今でもやはり殺したのは自分だと思う瑠璃。