第23章 政宗の小姓2
翌日
朝の申し渡しの席で、家康が口火を切った。
「信長様、玉瑛への誹謗中傷は度が過ぎます」
城内で囁かれている瑠璃への誹謗中傷、罵詈雑言。
瑠璃自身は何処吹く風で聞き流していたのだが、家康は腸を煮え繰り返らせていた。
それが昨日の事で耐えきれなくなったのだ。
「一度、黙らせる必要があります」
「確かに近頃、胸くそ悪い言葉で野次ってる奴等がいるな」
秀吉も同意する。
「して、どう策するつもりだ家康。考えがあるのだろう」
信長が続きを促した。
その日の午後、城内に触書が立てられた。
『春の邪気払いに 鷹狩を催す。
同行者は全員より選出す。
ひと月後 弓術馬術の腕試しを行う。
上位者はどのような者であろうと
鷹狩への同行を許す。』
触書をみた男達は、肩を落としたり、
息巻いたり、互いに腕自慢をしたりし始める。