第23章 政宗の小姓2
瑠璃は家康の怒りの矛先が三成の理由までは分からない。
「秀吉側近で織田筆頭家臣、軍の頭脳だろ。
下の奴らに 殿 と言われているのも、俺は気に入らない。
お前には、闘争心とか信念 ってものが見られない。だから強くなれないんだ」
下層家臣には無条件で「石田様」と呼ばれるべきだと言っているのだ。
「お前の官位なら、お前相手に軽口を利いて良いはずないんだ。それを許しているお前にも責任があるっ。
進んで悪口を受け入れる必要は無いだろ。
だからお前の事、嫌いなんだよ」
吐き捨てるように言って、目の前で腕組みをして、
フンッとそっぽを向く家康。
「家康様……三成様の事…好きなんですね」
瑠璃がポロっと溢す。
「はぁぁ?瑠璃っ、今 何を聞いてたんだ?
三成なんて嫌いだよ、大嫌いだっっ」
目くじらを立てて、瑠璃と三成を見る。